Planet Bollywood 6 out of 10
Reviewed By Narbir Gosal
意外なことを期待しろというふれこみだったが、なにも期待するなというのが事実だろう。なにも期待していなければ、すこしはこの作品を楽しむことができるかもしれない。JalwaChaalbaazなどの娯楽作品を作ったPankuj Parasharの作品とは思えないようなひどさだ。Tumko Na Bhool Paayengeはハリウッド映画のThe Long Kiss Goodnightにヒントを得ている。Pankujは主人公を男性にして、とてもありそうもないことをやらかした。平凡な筋の映画を完全な最悪映画にしてしまった。
Vir(Salman Khan)が登場するRjasthanから始まる。彼はThakur Punya Paratap Shingh夫妻(Sharat SaxenaNishighandha Wad)の一人息子だ。夫妻は息子を心から愛していた。Virは、無邪気なガールフレンドMuskaan(Diya Mirza)と明るく楽しい人生を送るごく普通の男だった。VirとMuskaanは結婚の準備が整う頃、Virは不思議なビジョンに悩まされていた。彼は兵隊と犬に追われるというような、不思議な感覚は次第に顕著になってきた。Virは幼い頃に頭を怪我して一時的な記憶喪失になったということを思い出す。しかし、それでは彼の見る不思議なビジョンについては説明がつかない。いったいこれは何だろう?そこで陳腐なアイデアの始まりだ。おそらくそれは双子の記憶か?それともリーんカーネーションか?Virにはわからない。彼の人生が打ち砕かれる結婚式までそれはわからない。Thakur夫妻はVirを数週間前に川で見つけて我が子として迎えたということを打ち明けた。Virは暴漢に襲われたあとにこれを聞かされた。
Thakur夫妻は戦争で息子(Arbaaz Khan)を失い、この見知らぬ人を引き取ることを決意したのだ。彼らの空虚感は満たされた。Virは信じることができず、彼の過去に何があったのか探す旅に出る。
彼はムンバイに行き、ことはますますひどくなる。警官(Mukesh Rishi)と知り合い、自分がAliという名だと知る。Mehak(Sushmita Sen)がAliの彼女、Inder(Inder Kumar)は自分とAliは友達だと現れる。
だからいったいなんだというのか?みんなほんとに知りたいだろうか?この作品を見たら、描写が馬鹿げていて非現実的だと感じるだろう。
なにがこの映画をこんなにひどいものにしているのか。まずPankaj Parasharが要点をつかまず各シーンをカッコよく撮ることに専念したことにある。
ある人は言うかもしれない。「この映画は素晴らしい!カッコよくて見栄えがする」と。
しかし、それが本当にみんな望んでいることだろうか?もっと一貫したストーリーラインだったら良かっただろう。この作品は楽しめる、しかし何度も見たくなるほどではない。
実際はPankajは2つの異なる作品をつくったようだ。前半は軽い感じだ。コメディー、ロマンス、そして歌で溢れている。そしてフラッシュバックのシーンは素晴らしい。観客がこれから何が起こるのか引き込まれる要素を持っている。後半はスパイスリラータイプの作品としてアクション要素を高めたものとなっている。
Mahendra Vermaによる後半のアクションシーンはなかなか素晴らしいものとなっており、うまく映像化されている。ストーリーラインがまとまらなかったというのがPankajの失敗だ。陳腐で関連性に欠け多くのシーンが生焼け状態。技術的にベストのシーンはムンバイでSalmanがミステリーを解き自分自身を取り戻すシーンだ。
Pankajは映画製作に急いだようだ。(これは4ヶ月で撮影した。)Thomas Xavierのカメラワークは素晴らしい。作品を見栄えの良いものとした。Bindiya Chamkeの歌シーンの映像化は素晴らしくとてもカラフルだ。Sushmitaが風のように舞うKyon Khanke Teri Choodiの歌シーンも同様に素晴らしい。Rumi Jaffreyの脚本はひどく矛盾だらけだ。Hindi、あるいはHindiの方言から英語に変えられるRajasthaniがどのくらいいるというのだ。この作品は見栄えは良いが内容が無い。
役者についてもあまり語ることはない。Salman Khanはわけがわからず苦悩しているようだ。彼の役柄が苦悩した役柄とはいうものの、彼はきっとこの作品の何がひどいのか悩んでいたに違いない。彼のアクションシーンはよくできており、彼にはその分野における才能がある。しかし、コメディーシーンやエモーショナルなシーンはわざとらしい。SalmanAishwariyaシーンは安っぽいギミックとなっている。アホな村の男から町のアクションヒーローへの転身は説得力がない。共演女優もパッとしない。Diyaは特にBindiya Chamkeの歌シーンで素晴らしく、見栄えがよくてスクリーンでの映り方に自信を持っているようだ。しかし、演技となるとさっぱりだ。ただいるだけならいいのだが、演ずるとなると彼女はぎこちなくなる。彼女はこの業界でもっとやっていこうと思うのなら、顔の表情や声による表現をもっと学ばなければならない。Sushmita Senは馬鹿げた役をよくこなした。Sushmitaが問題なのではなく、彼女の演じた中途半端な役に問題があるのだ。
Kyon KhankeとEid Mubarakの歌シーンのSushは素晴らしく、夢のようなダンスだ。
前半はDiyaSushは後半に登場する。Arbaaz Khanは短い出演で何の印象も残さない。Indir KumarSalmanはお互い上半身を見せ合うのみで、充分な才能を見せない。Johnny Lever のコメディシーンもお粗末なものだ。他の共演者も何の印象もない。役柄に退屈し、観客もそう感じる。
Tumko Na Bhool Paayengeは多くの点において失敗している。Rumi Jaffreyのお粗末な脚本とPankaj Parasharの的を外れたディレクションにより中途半端な仕上がりとなっている。特殊効果やカッコいい映像はたいへん楽しめるものとなっている。しかし、なにも理解されていない。俳優達は退屈と感じているようで、観客も同じだ。スター達の共演は素晴らしいが充分な演技を見せていない。アクションシーンは素晴らしい、しかしそれは後半のみだ。
この作品は素晴らしいテクニカルチームがいたのだし もっとよく仕上がったはずである。悲しいかな、いくつかの点では客を楽しませるものの全体的には不完全な作品となってしまったようだ。

20020206